こんにちは、はじめです。

多くの大人の初心者がやっている練習方法があります。

楽譜を開いて、頭から、両手で、いきなり弾いてみる。

気持ちはわかります。でもこれ、最悪の手順です。弾けない×読めない×両手の3重苦を同時に相手にしているので、進まないし、つまらないし、変な癖がつきます。

1曲を仕上げるには正しい工程があります。15年かけて固まった僕の手順を、工程表として全部書きます。

工程0:弾く前に「聴く」「読む」

鍵盤に触る前にやることが2つあります。

  • 原曲・お手本演奏を数回聴く:ゴールの音のイメージがないと、正解に向かえません
  • 楽譜を眺めて地図を作る:繰り返し記号の構造、難しそうな箇所、調号。5分でいいので全体を俯瞰します

頭の中で演奏をイメージできる状態を作ってから、鍵盤に向かいます。

工程1:ブロック分割

曲を4〜8小節ずつのブロックに切ります。鉛筆で楽譜に線を引いてください。

以後の練習は全部「ブロック単位」です。今日はブロック3だけ、のように。曲全体と戦わない。これが挫折しない練習の大原則です。

工程2:片手ずつ(右手→左手)

ブロックごとに、まず片手ずつ弾けるようにします。

ポイントは指番号をこの段階で確定させること。楽譜の指番号通りか、自分用に調整するかをここで決めて、以後変えない。指使いが毎回違うと、いつまでも暗記が進みません。

工程3:両手を「超スロー」で合わせる

ここが一番大事な工程です。

両手を合わせるときは、恥ずかしくなるくらい遅いテンポから始めます。目安は原速の3〜5割。ゆっくりなら弾ける速度で、正確に繰り返す。

脳は「弾いた通り」に記憶します。速く弾いてミスすると、ミスごと記憶されます。ゆっくり正確は、速く雑より何倍も速い。これだけは信じてください。

工程4:メトロノームで段階的に加速

ゆっくり両手が安定したら、メトロノームの出番です。

原速の60%→70%→80%と、1段階ずつ上げます。つまずいたら1段階戻す。ゲームのレベル上げと同じで、地味ですが確実です。

メトロノームはスマホの無料アプリで十分です。

工程5:ブロック連結→通し

全ブロックが原速の8〜9割で弾けるようになったら、ブロック同士をつなぎます。

つなぎ目(ブロックの切れ目)は練習していないので、必ずつっかえます。「前のブロックの最後の1小節+次のブロックの最初の1小節」を新しいミニブロックとして練習してください。

そして最後に通し。ここで初めて、頭から最後まで弾きます。

工程6:録画して粗探し→部分修正

通せるようになったら完成…ではありません。スマホで録画して聴き返すと、粗がボロボロ見つかります。

見つけた粗を、また該当ブロックに戻って潰す。この「通し→録画→部分修正」のループを数周すると、人に聴かせられる完成度になります。

全体の時間配分

1曲仕上げる期間の感覚値です(初中級の曲、1日15〜30分練習の場合)。

  • 工程0〜1:初日
  • 工程2〜3:全体の6割の期間(ここが我慢のしどころ)
  • 工程4〜5:3割
  • 工程6:1割

体感で「片手とスロー両手」に一番時間を使います。逆に言うと、ここを丁寧にやった曲は後半が爆速で進みます。

まとめ

弾く前に聴く・読む → ブロック分割 → 片手 → 超スロー両手 → 段階加速 → 連結・通し → 録画修正。

この工程を1曲やり切ると、2曲目からは全てが速くなります。習慣づくりの話は毎日15分の記事、細かいテクニックは練習のコツの記事へ。